ボルボ・トラック

JAPAN

ボルボのCamera Monitor Systemはお客様のトラック運送業にどのように役立ち得るか

Hayder Wokil
2024-01-22
テクノロジーとイノベーション 安全性 省燃費
Author
Hayder Wokil
安全確保や先進運転支援システム(ADAS)

ボルボ・トラックの新しいCamera Monitor Systemは、燃料消費量とコストの双方を削減できる可能性を秘めたシステムで、 どのような日照状況や天候状況でも車両を取り巻く交通状況の直接視界や間接視界を改善する方法により安全性も高めます。

ボルボのトラックにおいては、サイドミラーの代わりにカメラやモニターを増やしていますが、これには相応の理由があります。 ボルボの新技術は、お客様にさまざまな恩恵をもたらすものでもあるため、ボルボ・トラックでは、Camera Monitor Systemの装備を進めています。
 

ボルボ・トラックにて安全確保や先進運転支援システム(ADAS)を担当しているHayder Wokil氏は、「ボルボのCamera Monitor Systemは、ドライバーの環境を確実に改善するシステムです。 「私自身も、多くの時間を割いてシステム装備車両の試験走行を行いましたが、日差しが眩しい状況や悪天候の中でさえもきわめて優れた直接視界を得られました。」と述べています。
 

また同氏は、 「このシステムの開発を始めた段階では、既存の技術ソリューションの中にはお客様も満足の車両を届けるのに十分でないものもあると感じていたため、 ボルボでは、最高品質のシステムを市場に投入できるように努めています。」とも述べています。
 

ボルボのCamera Monitor Systemは、どのような形で排ガス低減を支援できるものか

安全確保は、ボルボの中核をなす行動判断基準(価値観)であり、Camera Monitor Systemの性能発揮にも欠かせない要素です。 Hayder Wokil氏の説明によると、このシステムを開発するきっかけとなったのは、主に、新重量(ヘビーデューティー)車両の二酸化炭素排出量抑制性能に関する規制である、2019年度EU排ガス規制第1242号が施行されたことでした。 同氏は、「パリ協定を遵守するため、EUでは、運輸業界も巻き込み、温室効果ガスの排出量を実質ゼロするための取組みを加速させています。 新重量車両については、すでに、2025年までに燃料消費量を大幅に削減しなければならない状況にあり、ボルボのCamera Monitor Systemは、この削減を支援できます。」と述べています。

このシステムは、大型のミラーと比べて大幅に小さいカメラアームを採用しているため、ボルボ・トラックの優れた空力性能が自慢の新型キャブと併用する場合には特に、車両の空力性能を格段に高めることができます。

また同氏は、「このシステムを備えた車両がもたらし得る燃費削減効果は廃車まで続くため、長距離運送事業者からも高い評価を得られるでしょう」とも述べ、 「複数の車両を用いて長距離運送業を営む事業者はもちろん、個人でトラック運送業を営む方にとっても、このシステムは大幅なコスト削減につながり得るものです。」と加えています。
 

このシステムのカメラはドライバーの直接視界をどのように改善できるか

視界の妨げとなる巨大なミラーケーシングを排除できるため、ドライバーの直接視界が改善します。 また、ボルボ独自の機能である「視界縮小表示機能」といったデジタル機能が、運転環境を向上させます。 このシステムは、トラック周辺の交通状況についてより多くの情報を提供する方法でドライバーの安全運転を支援します。
 

このシステムは、トラック後続車両の接近速度をドライバーが把握するのに役立つ安全機能を備えています。 Hayder Wokil氏は、「Camera Monitor Systemのメインリアビューには、ドライバーが設定できるモニター画面上の場所に、トレーラー終端線と称する線が表示されます。」と述べ、 「これは、特に、ドライバーの安全な車線変更に役立ちます。」と加えています。
 

運転中にミラーを使ってより良い視界を得るには、頭を動かさねばならないケースが良くありますが、 このシステムを備えた車両では不要です。 代わりに、自動パン機能が、フロントステアリングホイールの角度に応じて表示を調整し、トレーラー終端の位置をドライバーに知らせます。
 

Hayder Wokil氏は、 「ボルボでは、リジッドトラック単体構成の車両やトラクター・トレーラー構成の車両を含むあらゆる構成の車両にこのシステムを装備することを目指しています。」と述べています。

このシステムは、大型のミラーと比べて大幅に小さいカメラアームを採用しているため、車両の空力性能を格段に高めることができます。

このシステムのカメラはその他交通弱者の安全性も高めるものか?

車両周辺の視界を優れた水準に保つことは、自転車走行者、歩行者およびその他交通弱者にとってより安全な環境を作るのに役立ちます。 右左折時には、Camera Monitor Systemの助手席側コーナーカメラが、ボルボ・トラック独自の交通弱者(VRU)ディテクターとともに作動します。 このカメラやディテクターは、ドライバーによるその他の交通弱者の発見を上手く補助します。
 

また、車両周辺視界の向上により、駐車や休憩の際におけるのドライバーの安全性も高めます。 カーテンやブラインドを閉めた状態でも、ベッド脇からCamera Monitor Systemを起動して、監視や、トラック周辺における出来事の表示を行うことができます。

赤外線技術はナイトビジョンをどのように改善するか

ボルボ・トラックのカメラは、赤外光を用いてトラック周辺の暗闇をより細部まで鮮明に表示するナイトビジョンモードを備えています。 このモードは、夜間のターミナル到着時などにおいて非常に役立ちます。 この赤外線(IR)カメラのおかげで、夜間や暗い場所では、従来のミラーより優れた視界を得られます。 

赤外光を採用し強化されたナイトビジョンモードが、暗闇でも安全な運転を支援
「Camera Monitor Systemは、事業者とドライバーの双方に有益なシステムで、 燃費の削減はもちろん、安全性も高めます。」

このシステムのカメラは、視界の妨げとなり得る結露や凍結を防止できるレンズヒーター機能も備えています。 このヒーターは、気温が摂氏+6度未満になると自動的に作動しますが、より高温多湿の状況での手動作動も可能です。 通常は、カメラが生成する熱により、レンズ上の結露が除去されます。 このため降雨時でも、ドライバーが、サイドミラーやサイドウィンドウの結露や汚れによりCamera Monitor Systemが表示する画像の質が低下するといった問題に悩まされることはありません。
 

どのような総合試験を経てシステムの性能が担保されているのか

完成したCamera Monitor Systemについては、総合的な試験と検証手続きを実施しています。 Hayder Wokil氏は、 「ボルボの手続きにおいては、必ず、初めにすべての構成要素を個別に試験し、 システムを組み立ててからシステム全体レベルで点検を実施した後、 最後にシステムをトラックに載せ、性能、機能、耐久性および信頼性が設計とおりか確認するという流れを経ています。」と説明してます。
 

Hayder Wokil氏は、北極圏の北部で冬季に実施されたCamera Monitor System装備トラックの試験走行と、摂氏+40度の熱波襲来中のスペイン南部で上り坂と下り坂を使って実施された試験走行に参加し、 「ボルボの試験は、常に、お客様によるソリューションの用法を想定して実施していますが、この用法は、たとえ同一セグメントのお客様であっても、お客様ごとに大きく異なる可能性があるため、 ボルボでは、気候、営業手法、トラックの用法に影響を及ぼす文化的背景の異なる、世界各地のおよそ180の市場に拠点を設けており、 満たすべき多様な要件について把握しています。」と述べています。
 

このシステムの開発には、当初より、外部のドライバーやお客様にも加わっていただき、開発工程の全体を通じて相談に応じてもらいました。 同氏は、「ボルボは、開発に加わってもらった外部の皆さんからいただいた、欠けていると感じた点、Camera Monitor Systemに関する意見、あると嬉しい機能といったフィードバックに耳を傾け、 これをボルボの技師にも伝えて、継続的な調整や改善に活かしました。」と述べています。
 

今後もより多くの機能を追加予定

Hayder Wokilは、ボルボ・トラックの新しいCamera Monitor Systemについて、特に、長距離運送業に携わっている事業者とドライバーの双方に有益なシステムであると結論付けています。
 

また同氏は、「このシステムは、燃費の削減はもちろん、安全性も高めるもので、事故の低減、稼働時間の拡大、視界の改善、運転の支援、保険料の削減、ドライバー環境の向上への貢献も期待できるものです。」と述べ、 「また今後においては、すでに整備している総合的なロードマップに沿って、新たな機能を追加し、このシステムを他のトラックシステムとも統合して、お客様により多くの恩恵をもたらすことができるよう取り組む予定です。」と加えています。
 

ボルボ・トラックのCamera Monitor Systemに関する詳細については、ボルボの製品情報ページをご覧いただくか、お近くのディーラーまでお問い合わせください。

ボルボの新しいCamera Monitor Systemについて:

Related Insights