ボルボ・トラック

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トラック・ドライバーの快適性への投資により得られるメリット

Klas Nilsson Samuel Nerdal
2024-01-22
テクノロジーとイノベーション ドライバーの世界
Authors
Klas Nilsson
Product Manager, Volvo FH and Volvo FH16
Samuel Nerdal
Product Manager Electronics and Electrical Solutions

多くのトラック・ドライバーにとって、車は単なる職場ではなく、第2の家とも言える存在です。 ドライバーの快適性と、日常のトラック内での生活や業務を楽にする機能に投資することで、企業はドライバーの幸福に投資するだけでなく、優秀なドライバーを引き寄せ、維持することにも貢献します。

Volvo FHおよびVolvo FH16のプロダクト・マネージャー、クラス・ニルソン氏は、「世界的なドライバーの不足により、トラックの仕様やブランドに関してドライバーの発言力が大きくなっています」と述べています。 「多くのドライバーは1日あたり8~10時間運転し、多いときには週に7晚をキャブ内で過ごします。 したがって、ドライバーがどの企業に勤務するかを選択に際に、提供される快適性と利便性のレベルが大きな判断材料になることは不思議ではありません。」
 

ドライバーがトラックに求めているもの

ボルボ・トラックでは毎年、世界中で数百人のトラック・ドライバーと面会し、まさにこの質問をしています。 こうした調査には、ドライバーを対象とするクリニック、アンケート、トラック停車場や作業現場でのドライバーとの面会時の詳細なインタビューが含まれています。

ボルボ・トラックの電子・電気ソリューション担当製品マネージャーのサミュエル・ナーダル氏は、「主にトラックを運転に使用するドライバーから、自宅としてもトラックを使用するドライバーまで、さまざまです」と述べています。 「こうしたドライバーと話すことで、私たちは認識や態度を追跡し、ドライバー中心の開発作業を維持できます」。

ドライバーとの面談から、ボルボ トラックではほとんどの長距離ドライバーが一般的に睡眠と休息の快適さを優先しているのに対して、他の業態のドライバーは運転時の快適さと視界を重視していることがわかりました。

「私たちはこうした調査を20年間実施してきましたが、結果はそれほど変わりません」とクラス氏は付け加えています。 「このことは業種によって異なる場合があります。 長距離輸送のドライバーはベッドや調理設備などを重視しますが、頻繁にキャブに出入りするドライバーにとっては明らかに乗りやすさが重要です。 しかし全体としては、この3つの要素、つまり休息時の快適さ、運転時の快適さ、そして視界が常に重要です」。
 

トラックのキャブを第2の住居に変える方法

ボルボ・トラックではこうした意見を念頭に、最新の製品ラインナップでドライバーの快適性を向上させるために、いくつかの新しい機能とアップグレードを導入しました。 最高級の新しいGlobetrotter XXLキャブは、250 mm長くなったことから、より大きなベッドを含む、より広い居住空間を実現しています。 インテリア・デザインも居住空間の改善のために調整されました。

たとえば、電子レンジは、キャブのフロントシェルフにシームレスに設置されるようになりました。 また、Globetrotter XXLキャブ前部のフットステップがベンチとして使用できるように延長されました。 そして、頻繁にキャブに出入りする必要があるごみ収集車や都市部の配送業務に従事するドライバーのために、ドライバーの位置を路面の高さまで下げ、簡単に乗り降りできるVolvo FM Low Entryが登場しました。
 

新しいカメラ・モニター システム は、サイド・ミラーの代わりに利用することで、特にロータリーや交差点でのドライバーの直接視界を向上させます。 また、このカメラにより、ドライバーがカーテンやドアを開けずに車両の側面を見ることができるため、車の中で夜寝るときの個人の安全の確保にも役立ちます。

キャブ内のディスプレイ画面ではウィジェットとアプリを利用し、ドライバーがデジタル・ツールや各種機能により明確かつ簡単にアクセスできます。
トラックの仕様やブランドについてドライバーの発言権が大きくなり、ドライバーがどの企業に勤務するかを選択する際に、提供される快適性と利便性のレベルが大きな判断材料になっています」。

マルチメディアと音響機能がトラックの運転に不可欠な理由

ドライバーが1日の勤務時間内に実施する作業はさらに増えることが予想されるため、ドライバー・インターフェイスとデジタル・ツールの重要性はますます高まっています。 ドライバーの日常業務をサポートするために、新しいトラックにはサブスクリプション・ベースの新しいナビゲーション・システムが搭載されています。 ドライバーは、安全で使いやすく、コマンドに迅速に反応し、運転状況や交通状況の変化に素早く対応する内蔵ナビゲーション・システムのメリットを享受できます。

このナビゲーションはトラック固有のニーズに適合しており、地図の自動更新により配送をより効率的に行うことができます。 また、Volvo Connect*およびMy Business Appsと統合されているため、車両の管理者、ドライバー、その他の第三者の間で目的地とルートを簡単かつ安全に共有できます。

My Business Appsでは、ボルボが承認したすべてのサードパーティ製アプリをVolvo Connectで車両に割り当てることができ、ドライバーのセカンダリー・ディスプレイで使用できるため、キャブ内にスマートフォンやタブレットは必要ありません。 これらの改善により、ドライバーはより安全で、よりパーソナライズされた効率的な作業環境と、全体的により現代化されたドライビング体験を享受できます。

新しいキャブ内装の開発において優先されることの1つは、HMI (ヒューマン マシン インターフェイス) の強化です。 キャブ内のディスプレイ画面はウィジェットとアプリで簡素化され、ドライバーが必要なときに必要なツールや機能によりわかりやすく簡単にアクセスできるようになりました。

さらに、USBポート数がVolvo FHでは3個から6個に、Volvo FMでは1個から4個に増えました。キャブ内のサウンド・システムは、全範囲にわたり大幅に改良され、全体的な音質向上のために新しいスピーカーにより完全な見直しが図られました。 さらに優れたサウンドを実現するために、より高機能な外部デジタル・アンプとサブウーファーも利用できます。

「ドライバーはオーディオ・ブック、ラジオ、自身が保持するメディアを聴くことに一日の多くの時間を費やしているため、サウンド・システムはますます重要視されています」とサミュエル氏は言います。 「そのため、私たちはオーディオ・システムの改良に多大な労力を費やしました。実際に聞いてみると、その違いは明らかです」。バッテリー電源を遮断する機能を備えるキー・リモコンがすべての車両に標準装備されるようになりました。 電力を節約し、トラックのバッテリーの寿命を維持することが容易になります。 また、ランプ・チェックを行う機能も備えています。 

キャブ内のサウンド・システムは、新しいスピーカーにより完全な見直しが図られて向上しており、また外部デジタル・アンプとサブウーファーも利用できます。
サウンド・システムは、ドライバーがますます重要視しているものです…そのため、私たちはサウンド・システムの向上に多大な労力を費やし、その違いは今でははっきりとわかるものになりました」。

デジタル・ツールとソフトウェア・ソリューションがドライバーの快適性を向上させる理由

多くのドライバーにとって最も不快に感じるのは、車両の速度と方向を継続的に微調整しながら、長時間静止して座っている精神的および肉体的な負担です。 ボルボ・トラックは、ドライバーの負担を軽減するために、このような調整の必要性を小さくし、よりスムーズなドライビング体験を提供するボルボ・ダイナミック・ステアリングを開発しました。 

 

ボルボ・ダイナミック・ステアリングの最新の更新には、道路上のトラックの位置を継続的に監視し、車両が車線を逸脱した場合に軽いステアリング支援を提供するパイロット・アシスト・システムが含まれています。 また、前方の車両を監視して安全な車間距離を維持します。 ボルボ・トラックのI-Seeは、坂道や丘陵地帯を走行する場合に、地図ベースのデータを使用して今後の地形を予測し、最適なギヤとトルクを前もって選択することで、よりスムーズな走行を可能にします。

 

「トラックでI-Seeとパイロット・アシストが指定されていれば、ロータリーや交通渋滞の中でも、ほぼどのような状況であっても、またどのような速度でも、基本的にクルーズコントロールで運転できます」とクラス氏は言います。 「これにより、ドライバーの作業が楽になるだけでなく、安全性も高まります。 それに加えて、燃料も節約できます」。

 

トラック運転手を引き寄せ、維持するために何ができるかについて詳細は、以下の内容に関する以前の記事を参照してください。

  • トラック運転手のモチベーション
  • ドライバーの定着率を向上させるために可能な措置
  • ドライバーが何を重視しているか考慮することが重要な理由

 

*Volvo Connect は、ボルボ・トラック独自のフリート管理システムであり、すべてのボルボ・トラック・デジタル・サービスへのゲートウェイになります。

いくつかの最新の更新と製品の機能についてご覧ください。

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