燃料とエネルギーを節約する必要性は、トラック・オーナーにとって常に優先事項でしたし、今後も常に優先事項になるでしょう。 トラックがディーゼル、電気、ガソリンのいずれで走行する場合でも、Volvo Trucksは車両の効率性の向上に常に注力しています。 最新の大型トラックも例外ではありません。
通常、燃料はトラックの運用コストの約20~25%を占めており、燃料効率が業界全体の収益性の焦点であることは不思議ではありません。 eモビリティへの移行に伴い、エネルギー効率の向上は航続距離の延長と生産性の向上に直結します。 したがって、この点は長年にわたりVolvo Truckの研究開発の焦点であり、最新の大型トラック・シリーズにその成果が現れています。
トラックのエネルギー性能の中核となる要因は、空力特性です。 ここでのVolvo Truckのアプローチは、車両全体を総合的に捉え、複数のコンセプトを長期にわたって同時に開発し、それらを組み合わせて最適なデザインを作成することです。
キャブ前面の分割線のシーリングの強化、フットステップの閉止、ホイール・アーチ外周の近接化など、新しい空力特性のコンセプトの多くは2022年に導入されましたそして現在では、すべての市場の全範囲に展開されています。
「この新しい大型トラック・シリーズは、10年以上にわたって継続的な微調整を行った成果であり、それによって今日見る車両へと進化しました」と、Volvo Trucksの空力特性担当シニア・テクノロジー・エキスパートであるアンダース・テンスタム氏は述べています。
「集中的かつ効率的な仮想開発を通じて、トラック・デザインの形状とディテールをともに向上させることができました。 私たちはこうした改良を段階的に導入してきましたが、それらはすべて、お客様のために可能な限り最もエネルギー効率の高い車両を製造するという目標のもと、長年にわたって行われている高度なエンジニアリングに由来する総合的な計画の一部となるものです」。
新しい空力特性に優れたデザインは、10年以上にわたる継続的な微調整の成果です。
新しい カメラ・モニター・システムにより、空力特性がさらに向上しました。 カメラ・モニター・システムでは、サイド・ミラーを小さな翼型のカメラに置き換えることにより、トラックの側面に沿った空気流を大幅に改善します。
「ミラーの裏側は平坦であることが求められるため、ミラーの背後にウェイク・ゾーンを形成することは避けられず、常に空力損失の原因になります」と、ボルボ・トラックの空力特性担当シニア・エンジニアリング・エキスパートであるマティアス・ヘイデステン氏は話しています。
ミラーを外すことで気流がボディに密着しやすくなります。 車両の投影前面面積も小さくなり、空気抵抗がさらに減少します。 これだけでも燃料消費量の削減に貢献しますが、それに加えて、以前に実装された他の空力特性に関する改善点の多くが最適化されます」。
ここでは、カメラ・モニター・システムとミラーを使用した運転の違い、または同様の空力特性の改善を特徴とする新しいVolvo FH Aeroの詳細についてご覧いただけます。
運転テクニックが燃料消費量に大きな影響を与えるため、Volvo TrucksはI-See*機能をアップデートし、道路の曲率や地形にも適用できるようになりました。 このシステムでは、地図ベースのデータを使用して、トラックのギヤ、速度、エンジン・ブレーキを調整して、坂道やカーブの多い道のいずれで最も効率的に運転できます。
「新しいI-Seeでは本質的に、ドライバーが事実上常に、クルーズ・コントロールを使用できます」と、Volvo Trucksの新規オファー商品化マネージャーであるトーマス・テュレッソン氏は話しています。 「クルーズ・コントロールはペダルによる運転よりも経済的になるように設計されているため、燃料消費量を削減できます」。
「新しい大型トラック・シリーズは、10年以上にわたる継続的な微調整の成果です。 私たちは段階的に改良を導入しており、お客様のために可能な限り最もエネルギー効率に優れた車両を開発することを目標としています」。
新しい大型トラック・シリーズのその他の改良点には、ブレーキング時のディスク・ブレーキの抵抗を軽減することでエネルギーを節約できる、通気性素材のブレーキ・パッドなどが挙げられます。 オーバードライブI-Shiftギヤ・ボックスは新しい製造技術で更新され、またアクスルの素材が変更されました。いずれも、エネルギー効率の向上に貢献しています。
ただし、こうしたすべてのアップデートと機能による燃料節約能力を最大限に引き出すには、そうした要素を1つのパッケージに組み合わせた場合です。 また、スポイラー、フェンダー、ルーフおよびサイドのエアディフレクター、シャーシ・フェアリング、ホイール・キャップなど、用途に合わせて特別に設計された従来の燃料節約手段と組み合わせて使用することも重要です。
さらにVolvo Trucksは、さらなる空力特性の向上のために、時速60 kmを超える速度でシャーシの高さを自動的に下げるソリューションも提供しています。 これらの各機能は、それぞれが燃料節約に貢献するだけでなく、他の機能の燃料節約に関連する特性の向上にも役立ちます。
「これは1+1=3になる事例です」とアンダース氏は言います。 「車両前部の空力特性を最適化すると、後部の改良による空力特性の向上効果がさらに高まります。その逆についても同様です。 そして、空気特性に優れたトラックは、抵抗の大きなトラックよりも自由回転慣性がはるかに優れているため、I-Seeのようなシステムのメリットは数倍になります」。
*I-Seeは現在ディーゼル車でのみ利用可能ですが、後日ガス燃料車や電動式ドライブラインでも利用できるようになる予定です。