クローラー・ギアを備えたI-シフト――究極のパワーで苛酷な業務に対応

最大325トンもの負荷をかけたトラックを停止状態から動かす画期的な能力が、 ボルボ・トラック独自のクローラー・ギア付きI-シフトによって現実となった。

超重量物輸送

ボルボ・トラックのクローラー・ギア付きI-シフトは超大重量物輸送に最適な装備だ。総重量325トンのトラックを完全停止から動かす能力と、0.5 km/hの超低速走行能力を備えている。

クローラー・ギア付きボルボI-シフト

クローラー・ギア付きI-シフトは、ヘビー・デューティー用途に欠かせないパワーと始動性能を格段に高めたギアボックスだ。

平坦な路上では、総重量最大325トンの積荷がある状態で完全停止からトラックを始動できる能力を持つ。 また、時速0.5 kmという超低速を保ったままの操縦・走行が簡単にできるため、 精巧さが求められる現場作業や後退操作にきわめて大きな威力を発揮する。

クローラー・ギア付きI-シフトの大幅な変速比は、標準I-シフトにない減速ギアセットを追加することで実現した。 追加された減速ギアセットを収納するため、ギアボックスの大きさは標準I-シフトよりも12cm長い。 歯車、係合スリーブ、スプリット・シンクロナイザーなどの新規コンポーネントの多くに高強度素材を採用した、きわめて耐久性の高いギアボックスだ。

クローラー・ギア1: 最低速ギアを入れたときのギア比は32:1。

ボルボ・トラックのクローラー・ギア付きI-シフトの特長である大出力と超低速走行能力は、木材輸送、ダンプ・トラック、大型連結車両などの用途に最適。 しかも、荷重の大小にかかわらず燃料消費量が小さい。

このギアボックスを搭載したトラックは、積荷が非常に重いときも簡単に始動できる。 クローラー・ギアと最適に調整されたリア・アクスル比との相乗効果によって優れた燃費性能が発揮されるため、長距離輸送用途の生産性向上にも効果的だ。 しかも、クラッチエネルギーが標準I-シフトの25%程度まで抑えられており、ドライブラインの負担がきわめて軽いため摩耗が進みにくい。

クローラー・ギア付きボルボI-シフト

クローラー・ギア2: ギア比は19:1。 ボルボ・トラックのクローラー・ギア搭載MTギアボックスの場合は、ギア比17:1。

図解: クローラー・ギア付きI-シフト
クローラー・ギア付きI-シフトは、標準I-シフトに新たなギアトレインを追加して変速比の幅を格段に広げ、 今までにないパワー、安定性、操縦性を実現したものだ。 また、ドライブラインの摩耗を軽減する効果もある。 その仕組みを解説しよう。

追加ギアトレイン
ギアボックス・カップリングの直下に追加されたギアトレインは、入力シャフト側の歯車と、中間シャフト側の歯車とで構成される。 これにより、標準I-シフトの2倍近い大幅な変速比を持つギアボックスが実現した。

後退ギア

後退ギア: ギア比は37:1ときわめて高く、超低速での後退操作が可能。 したがって、荷重が大きいときも的確な操縦ができる。

ギア比の高さ
ギア比は、ギアボックスの入力シャフトと出力シャフトの回転速度の差を表す。 最高速のギアが噛み合うとギア比が1:1になり、入手力シャフトの回転速度が等しくなる。 クローラー・ギア付きI-シフトの場合、最低速ギアが噛み合ったときのギア比は32:1。つまり、エンジン回転数の1/32の速度で非常にゆっくりと出力シャフトが回転する。

Related News

ドライバーに恩恵をもたらすステアリング補助機能(VDS)

高速走行時には方向が抜群に安定し、低速走行時には操縦しやすく、筋肉や関節の負担が大幅に軽減される。ボルボの画期的なステアリング補助機能(VDS)は、2013年に登場して業界に衝撃を与え、多くのドライバーの運転行動を根本的に変えてしまった。...

低速ギアへのシフト

I-シフト・ファミリーに、クローラー・ギアを備えた新型I-シフトが登場。総重量325トンの積荷がある状態で完全停止からの始動を可能にする新機構だ。...

1分メモ ― クローラー・ギア付きI-シフト

ボルボ・トラックのクローラー・ギア付きI-シフトには、総重量325トンのトラックを完全停止から動かす能力がある。また、時速0.5 kmもの低速を保ちながら操縦できるため、作業の精巧さが求められる現場で大きな威力を発揮する。...

記事を絞り込む

5 true 5