ドライバーに恩恵をもたらすステアリング補助機能(VDS)

高速走行時には方向が抜群に安定し、低速走行時には操縦しやすく、筋肉や関節の負担が大幅に軽減される。ボルボの画期的なステアリング補助機能(VDS)は、2013年に登場して業界に衝撃を与え、多くのドライバーの運転行動を根本的に変えてしまった。

トラックに搭載されたVDS。

ステアリング補助機能(VDS)には、ハンドル操作の負担を軽減し、筋肉痛の発生を20~30%減らす効果がある。

1.ステアリング・ロッド
新機構に対応するために修正が施されている。

2.制御ユニット
トラックの動きに関する情報(速度など)を収集・処理し、それに基づいて電動モーターに制御信号を送る。このモーターが、ドライバーの手に伝わるステアリングの力を補正する。

3.油圧ステアリング・ギア
電動モーターの力で、油圧ステアリング・ギア内のトーション・ロッドにねじりが加わる。このねじりが大きくなるほど油圧バルブが開き、油圧アシストの力がより強まる。

4.電動モーター
ステアリング・ギアに取り付けられた電気制御式モーターが、ステアリング・ギアと連携して動作する。毎秒2,000回という高頻度のモーター制御動作によってステアリングの力を適度に調整し、最大25 Nmのトルクを生み出す。

5.内部センサー
電動モーターの中に組み込まれたセンサーが、角度とドライバーの操作によるトルクの大きさを読み取る。このデータは、システムが適切に作動して完璧なステアリング応答性を実現するための演算処理に使われる。

6.外部センサー
車両のあらゆる場所にさまざまな種類のセンサーが取り付けられており、それらの情報を総合して正確な状況把握が行われる。トラックの動作は、この情報に基づいて変化する。

効果とメリット

路面の乱れが操縦性に悪影響を及ぼしにくい
VDSによって路面の乱れが自動的に吸収されるため、振動が少なく、ハンドルが勝手にブレたりしない。

軽い力でハンドルを回せる
低速走行時のステアリングに必要な力が75%軽減されるため、急な曲がり角やロータリーなど、面倒な操縦が必要な場面で体の緊張が少なくなり、安全性が大幅に向上する。

方向安定性が向上する
高速での走行中、路面が均一でない場所でも車両の進行方向が安定し、コースからずれた場合の修正操作もしやすい。これは高速道路での安全性確保に役立つ。

後退操作がしやすい
走行中はステアリングが自動的にニュートラル位置に戻っていくため、ハンドルを握り続けることによる体の負担が軽減される。この効果は後退時にも同じように働くため、後退操作が楽にできる。

筋肉痛が起きにくい
VDSには、筋肉疲労を20~30%軽減(作業の種類によっては最大70%軽減)する効果がある。* トラック・ドライバーに多いRSI(反復性疲労障害)が起きにくくなるため、健康を維持し、長く現役で働き続けるために役立つ。

運転の安全性が向上する
路面の細かい凹凸が吸収されるため、体の力を抜いて運転することができ、疲れにくい。このことは安全性の向上につながる。

* データの出典は、スウェーデン道路運輸研究所(VTI)が実施した調査

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1分メモ ― ステアリング補助機能

「ステアリング補助機能(VDS)は、ボルボ・トラックがまた1つ実現させた世界クラスの革新技術だ。低速時には、軽い力で正確なハンドル操作ができ、肩や腕に無理な負担がかからない。このため、安全性を向上し、ドライバーの身体に起きがちな負傷のリスクを軽減することができる。...

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