望み得る最高のスキルレベルを

一流のスキルを体得したドライバーは貴重だ。スウェーデンの輸送会社ヤルドラース・オケリも、優秀なドライバーを切実に必要としている。

ヤルドラース・オケリ社のボルボFH

ヤルドラース・オケリ社は、ボルボ・トラックと共同で、自社のドライバーに適した独自のトレーニング・プログラムを考案している。

アンドリュー・ロウ、アンナレナ・クリストファーソン氏

ボルボ・トラックのドライバー・トレーニング責任者であるアンドリュー・ロウが、ボルボFHの新機能をドライバーのアンナレナ・クリストファーソン氏に説明する。

ここはスウェーデン中部の都市リンデスベリ。たった今、ヤルドラース・オケリ社に真新しいシルバーのボルボFHが納車された。陽射しに輝くトラックをまぶしげに見つめるのは、運行管理責任者のヘンリク・カルルソン氏だ。 

「新車のボルボFHを買うのは、これが2台目なんです。気分は最高です!」(カルルソン氏) 

ヤルドラース・オケリ社の歴史は長く、創業は1931年にさかのぼる。 

リンデスベリを本拠地とする同社は、ボルボ・トラックへの車両コンポーネント供給に携わっているスウェーデン企業の1つ。この街で生産されるボルボ・トラック用アクスルをヨーテボリへ送り届ける役割を担っているのだ。 

今日は、ヤルドラース・オケリ社に所属するトラック・ドライバー9人のうち3人がボルボFHの納車を待ち構えていた。それは同社にとって当然のことだから、とカルルソン氏は話す。 

「このトラックの新機能すべてに関して、ドライバーをしっかりトレーニングしておかなくてはなりません。何か問題が発生したとき、ドライバーが状況を自分で把握できるようになっていれば、対応時間もコストも少なくて済みますからね」 

また、ターゲ・レイメス・イ・エレブロ・ラストヴァグナー社(ボルボ・トラック正規ディーラー)のヘンリク・スヴェッドベリ氏と、ボルボ・トラックのドライバー・トレーニング責任者であるアンドリュー・ロウも今日の引き渡しに立ち会っている。 

「輸送会社がドライバー・トレーニングの投資に力を入れることは重要です。ヤルドラース・オケリ社の方針は模範的で、非常に的確な取り組み方をしていますね。トラックの機能を適切に使えるドライバーを育てることは大幅なコスト削減につながります。結局、カギを握る存在はドライバーなのです」(ロウ) 

ドライバーはとても頑張ってくれていますから、会社としてもお返しをしたいのです。

ヘンリク・カルルソン氏

ヤルドラース・オケリ社の車両運行管理責任者

新型トラックの機能を習得・理解するためのトレーニングは、単に重要であるだけでなく、EUではもはや必須だ。 

2009年9月10日以降、EU圏のトラック・ドライバーには、ドライバー専門能力証明(ドライバーCPC)の資格取得が義務づけられている。この規則の施行時点で既に就業免許を持っているドライバーも、新しい資格を取得するには35時間のドライバー・トレーニングを受講しなくてはならない。受講までの猶予期間については国ごとの判断に委ねられており、スウェーデンにおける期限は2016年9月10日となっている。 

「当社ではドライバーCPCトレーニング・コースを年に1回開催しています。2016年のコースで、トラック・ドライバー全員が35時間のトレーニングを修了できるでしょう」(カルルソン氏)

ボルボ・トラックのトレーニング。

左から、ヘンリク・スヴェッドベリ、ヘンリク・カルルソン、アンナレナ・クリストファーソン、アンドリュー・ロウ

ドライバーCPCトレーニングの内容は、「効果的な運転技術」「輸送の安全性」「輸送業界と法規制」「健康」「安全運転と顧客への配慮」に関する5つのパートで構成されている。ヤルドラース・オケリ社のトレーニングは、ボルボ・トラック正規ディーラーであるターゲ・レイメス・イ・エレブロ・ラストヴァグナー社の密接な協力を得て実施されるものだ。

ターゲ・レイメス社でドライバーCPCの講師を務めるヘンリク・スヴェッドベリ氏は言う。「ドライバーの皆さんに最良のトレーニングを受けていただくために、ヤルドラース・オケリ社は非常に積極的な取り組みをしていますよ。当社と共同で、すべてのパートを網羅する充実したトレーニングを設計しました」 

新規則では、個々のトラック・ドライバーが自分のCPC資格を取得・維持しなくてはならないと定められている。 

しかし、ヤルドラース・オケリ社は所属ドライバー全員のCPCトレーニング費用を会社で負担することにした。

「ドライバーはとても頑張ってくれていますから、会社としてもお返しをしたいのです。それに、当社のビジネスが成り立つのは、一流のスキルを持ったドライバーがいればこそですからね」(カルルソン氏) 

メーカーであるボルボ・トラックは、トラック生産プロセスのあらゆる要素に厳しい品質を要求しなくてはならない。アクスルをボルボ・グループの工場へ輸送するヤルドラース・オケリ社も、環境、運輸、就業環境、品質に関する4つのISO認定を維持することが義務づけられている。 

ビジネスが成り立つのは、一流のスキルを持ったドライバーがいればこそです。

ヘンリク・カルルソン氏

ヤルドラース・オケリ社の車両運行管理責任者

「認証を維持するためにも、継続的にドライバー・トレーニングを施すことなどが必要です。トレーニングは絶対に欠かせない取り組みなのです」(カルルソン氏) 

新しいトラックを前にして真剣なやりとりが交わされる。ロウとスヴェッドベリ氏はいろいろな新機能の搭載箇所を説明し、トラック・ドライバーは彼らに質問を投げかける。 

その1人、アンナレナ・クリストファーソン氏は、このヤルドラース・オケリ社で働いて8年になるドライバーだ。

「主な新機能の仕組みが頭に入っていると、仕事がとても楽になります」(クリストファーソン氏) 

運転席に座り、インストルメント・パネルに配置された新機能についてロウから説明を受ける。 

「新機能がずいぶん多いんですね。でも、ここにある機能をとりあえず覚えておけば何とかなるかな」と笑うクリストファーソン氏。

 

トレーニング・セッション。

ドライバー・トレーニングに費やしたコストは、生産性と稼働時間の改善効果になって必ず返ってくる。それがヤルドラース・オケリ社の考え方だ。

フリート

車両:ボルボFH16 700PS(2013年式)×2台 / ボルボFH16 540PS(2011年式)×2台 / ボルボFH 480PS(2009年式)×2台 / ボルボFH 500PS(2011年式)×1台

アプリケーション:4台のボルボFH16にはダイナフリートを搭載。2台の新型ボルボFHには、アクティブセーフティー・パッケージ、ASAFE+、アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)を搭載している。

燃費:新型ボルボFH16 2台の燃費は10 kmあたり4.4L前後 / 他のボルボFH16 2台は10 kmあたり4.7L

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